■□■□我が家のISDN導入記■□■□

とうとう、我が家にもISDNがやってきました。

苦節5年、下準備も様々に色々な作戦を展開してきたわけですが、この夏(1999/8)にやっと嫁さんの決裁を得てISDNを導入することができました!(^_^)!パチパチパチ。
とはいえ、実は喜んでばかりもいられない展開だったんですが、まぁ、順を追ってみましょうか。しばらくお付き合いくださいませ。


・パソコン増殖化(期間:1台目作〜2台目完まで約1年半)
まずは、パソコンを複数にするところから始まります。
といっても、もともと1台目が自作だった上に部品もそこそこグレードアップしてたので、2台目はケースを買うだけで済みました。

お金(通信費)をかけずにネットワークの勉強をする為に、家の中で疑似的にネットワークを組んだという事で嫁さんには納得して頂きました(というか、諦めてもらったと言うか・・・)

・HUB導入(期間:上述から約2ヶ月)
最初はLANカードどうしをクロスケーブルを作って繋いでいたんですが、日本橋に出かけた時にソフマップで2千円くらいの5ポートHUBを見かけて、ついつい衝動買いしてしまいました。
巷では100BASE−Tとかいう話しもよく聞くようになってきましたが、ま、家の中で使うぶんには10BASE−Tのほうが、HUBも安上がりだし、LANカードも少し安いし、ケーブルもそんなに気を使わなくていいみたいだし、10Mbit/secの転送速度では遅くて困る!ってな事もあまり考えられないし、よろしいんじゃないでしょうか。

・部屋間LAN化(期間:上述から約2ヶ月)
HUBも買った事だし、次はTVの見れる部屋までネットワークを延ばそうと、ふと思い立ちました。
さて、パソコン部屋からTV部屋までは少し入り組んで離れていて、だいたい15mくらいの長さのケーブルが必要なようです。
それと、ケーブルむき出しで配線してしまうのは、ちょっと見苦しい様な気がしたので、ホームセンターで配線隠しようのモールを買ってきます。
モールを探しているとサイズも色もさまざまで、木目調の奇麗なものもあったりして、つい使いたいなぁ〜なんて思ってしまうんですが、何分予算が少ないので、安めの白いモールをチョイス。2mで500円程度だったかな。
モールが2m×6本で3000円 + モールを壁に張りつける両面テープが10mで250円程度×2本、、合わせて3500円くらいの出費となってしまいました。
で、買ってきたモールを適当な長さに切って天井付近に張りつけていき、LANケーブルを埋めこんで工事完了。
我ながら良い出来(^_^)

部屋間をまたいだケーブルは、パソコン部屋側でHUBに繋げて、TV部屋側ではLANケーブルどうしを繋ぐ中継コネクタに繋いで、普段は何も繋がっていない状態とした。
HUBから15mもケーブルを延ばして、さらに先には何も繋がっていない状態をデフォルトとしたので、ノイズが乗ったりしてトラブルの原因になるんじゃないかと気にはなったが、実際に使っていて、今までにトラブルが起こったという自覚はないので、大丈夫らしい。

・ノートパソコン導入(期間:上述から約1ヶ月)
部屋間にLANを通したら、やっぱり使ってみなきゃ、という訳で、会社で余っていたノートPCを借りてきて繋いでみる。
トラブルもなく、あっさり繋がった。ちょっと拍子抜け。
まぁ、これでちょっとプログラムを書いたり文書を作ったりする分には快適になった。TVも見れるし、パソコン部屋にこもらないですむから嫁さんに睨まれる事もないし。(と、最初は思っていたが・・・)

でも結局、パソコン部屋のミニタワーにしかモデムが繋がっていない為、インターネットを使うときはパソコン部屋にこもらないといけないので、あまり状況は変わらなかったのでした。

・ルータ検討(期間:上述から約6ヶ月)
なんとかモデムを共有する方法がないものかと、ミニタワー2号機にLinuxを入れてみたりしたものの、LANカードを認識しなかったりグラフィックカードを認識しなかったり、あげくのはてにカーネルを入れ換えたら止まらなくなったり、起動しなくなったりと、我がレベルの低さを認識しただけで断念してしまいました。
(今、同じ事を考えるなら、Windows98SEで新設の、インターネット接続共有機能を使うというのが一番楽そうだなきっと)

次に検討したのが、I/Oデータ機器製品のET−MPSというルータで、定価23,000円、実売19,000円という非常に手を出しやすい値段で、モデムを共有できるハードウェアが見つかりました。(ほんとはTAでも共有できるしE-mailシェアリングやRASサーバ機能などいろんな付加価値が付いてますが、詳細はI/Oさんに問い合わせて下さい)

[I/Oデータ ET-MPS] 

ほぼ、これを導入する事を心に決めて、手始めに56kbpsのモデムを購入(それまでは28.8kbpsのモデムを使いつづけてきたんです)
し、あとはルータを手に入れるだけ・・・と思いきや、56kモデムの挙動がおかしい。
色々調べたあげく、ウチの回線状態があまり良くない上に、家の中にもノイズ原が多い事と、電話線を分岐&延長してるのが災いして、33k程度までスピードを落とさないと安定しない(通信中にハングアップしてしまう)事が判明しました。

こ、これではルータどころか、56kモデムのもとさえ取れないではないか・・・・・

・ISDN導入交渉(期間:上述から約2ヶ月)
56kモデムに関しては考えられる限りの効率化(配線経路の短縮・外来ノイズ対策などなど)を対策しながらも、根本的にスピードが上がらん上に、28.8kの時よりも安定度が悪くなってるのが気になって、イライラがつのるばかりでした。

そんな時に、各パソコン雑誌のISDNダイアルアップルータ特集の多いこと多いこと・・・
とうとう真剣にISDNを導入する事を決め、TAの機種選定を進め、入手作戦を展開。

機種選定は売れ筋2機種に絞り、NTT−MEのSL11にするか、YAMAHAのRTA50iにするかというところで少し悩んだんですが(ちなみに実売価格は両機種とも38,000円前後)、結局あの黒いキューブ型が他のメーカーと違ってちょっとカッコイイような気がしたのでYAMAHAで決まり。さっさと入手して家に持って帰りましたとさ。

(参考までに外観↓。SL11の液晶付というのも捨てがたかったが、趣味に走ってしまった;;)
[YAMAHA RTA50i]   , [NTT-ME SL11] 

さて、家では電話回線をISDNに変えるとなると、当然のように嫁さんの決裁が必要なのですが、案の定ISDNなんぞに必要性は全く感じていない様子。
こちらがアピールする点としては、
(1)2回線分同時に使える事になるから、インターネットで回線を使っている時でも、電話をかける事ができる。
(2)キャッチホンなんかのサービスをNTTに頼まなくても、ルータの機能だけでタダで実現できる。
(3)テレホ時間に回線を繋ぎっぱなしにしていても、他からの電話を受ける事ができる。
(4)通信速度があがるので、通信時間が多少は短くなる。
う〜ん、こうやって見てみると「じゃあインターネット使わなければいい」という一言が一番恐ろしいですな。反論の余地なし。
まぁ、僕自身のネットワーク技術の修得という意味も兼ねて、なんとかISDN導入の許可を得る事はでいましたが、交渉に2日はかかりました。しんどかった。
もうすっかり、嫁さんの僕に対するイメージは「新しいもの好きのバカ」となってます。

・料金交渉(期間:上述から1日以内)
さて、ISDN導入の決裁は取ったものの、こんどはISDNに関る料金交渉なんですが、、、
交渉時点ですでに、アナログ回線でのテレホーダイとタイムプラスは電話代という扱いで、家の方から出してもらってた訳で、ISDNにしても契約内容は変えない事を基本に交渉します。

・・・まぁ、途中は色々とあったわけですが、結局は僕の小遣いUP交渉を来春は行わない事(これであと1年半はベースアップなし確定)と、毎月2,000円を小遣いから家の方に払うという事で決着がつきました。

なんで2,000円なのかというと、下表の通り固定費部分について、アナログ回線からの差額を払う事になったからなのです。

(月額料金)
 
アナログ(一般加入)
ISDN(INSネット64)
差額
基本料金
1,600円
2,800円
+1,200円
タイムプラス
200円
350円
+150円
テレホーダイ(市内)
1,800円
2,400円
+600円
月額 合計
 3,600円
5,550円
+1,950円

こうやってみてみると、何をするにもやたらと高いですね〜。
まぁ、基本料金がチョット高めなのはある程度わからないでもない(けど、せめてアナログ基本料金の半額で、+800円くらいまでにして欲しいよな)けど、他の割引サービス料金、特にテレホーダイの料金がなんでこんなに高いの?!

なんかこうやって改めて料金の高さをまとめてみたら、無性に腹が立ってきた(-_-)
くっそー、今にみていろNTT。「東京めたりっく通信」みたいなのがウチの県内にも参入してきたら速攻で乗り換えてやる。

・ISDN導入工事(期間:上述から3日)
いざNTTに工事の事を聞くと、非常に丁寧でしかも対応が早かったのには驚いた。
116番でISDNへの移行期間を聞くと、宅内工事を自分でやる場合は翌日には開通可能との事だし、基本料金も日割り計算だと言う。
聞いてから1晩じっくり考えて、翌日NTT(があったハズの場所)に行くと、DoCoMoに商売替えしてた。
どうやらウチの県内では、NTTの窓口業務はことごとく撤退しているようだ。その代わりに116番は土日でも申し込みOKと、元NTTの窓口に書いてあった。
ほんとーは、ISDNで良く分からない事もあったんで、窓口でおねーちゃんと話しながら書類を書く方が安心できるなと思っていたんだが、窓口自体がないのでは仕方がない。再び家に戻って116番へ架けて「工事申し込み」と告げる。

あとの展開はすっごく早かった。意外だった。
まず、おねーちゃんが「お客様のエリアの回線がISDNに移行できるか確認してから、連絡します」との事だったので、たぶんこの連絡が1日後くらいになるだろうと思っていたら、あっさり15分後くらいに「ISDN移行可能です」との返事があった。(驚いた)
次に宅内工事の方法の確認。これは電話機に繋がってるモジュラーケーブルをTAルータに繋ぐだけなので、自分でやると告げる。
FAXはあるかと尋ねてくるので「ある」と答えると、宅内工事の確認ポイントやTA接続手順や無派遣工事のチェックリストを送ってくれた。
で、送ってきてくれたチェックリストの内容を確認して、FAXを返送しておいた。この時点で17時を回っていた。

(参考までに、そのFAXの内容→) Fax-1 Fax-2 Fax-3

FAX返送時点で17時を過ぎてたので、今日はもうNTTとのやりとりは無いだろうと思っていると、18時頃にNTTから電話があった。
(これは非常に驚いた)
工事をいつ行うかの話しだったので、翌々日の午前9:30〜に設定した(翌日工事分は時間切れのようだったので)

さて、翌々日・・・・・
指定通りの時間(午前9:30)にNTTから電話があり、これから局内工事をするので、宅内の工事も初めて下さいとの事。
また、工事後に極性が反転してたりすると連絡が取れなくなるので、携帯の番号を教えてくれとの事でした。
通話終了後にさっそく工事開始。
電話に繋がっていたモジュラーケーブルをTAルータに接続しなおし、TAルータの電源ON!
これで宅内工事完了・・・・・かと思いきや、NTTから携帯電話に連絡があり、どうやら極性が反転してて通話ができないので、極性反転のスイッチを操作して試してほしい、との事だった。(どうやらこの1〜2分間、陸の孤島状態になってたらしい)
さっさとTAルータ背面の極性反転スイッチを操作して、電源を入れなおしてみると、さっきまで付いていなかったランプが点灯。
NTTとの回線が繋がったらしい。
しばらくしてTAルータに繋ぎなおした電話機の方にNTTから電話が架かってきた。

今度は、うちからNTTの指定する番号に架けなおしてほしい(通話料かからないので、とも言ってた)との事だったので、早速ダイアルする。
あぁ、受話器から「ピッポッパ」ってな音がしてる、嬉しい(アナログ時代、プッシュホンの契約+350円すら決裁が下りなかったのだ)
ダイアルし終わるとすぐにNTTに繋がった。ちゃんと話しもできる。
なんだか、局の方からは「どこかで絶縁がいまいち・・・」みたいな話し声が微かに聞こえてくるが、気にしない。
局の方で何か調整しているようで「ガリガリ」といった音がした後「聞こえますか〜?」「はい」ってな会話をもって局内・宅内とも工事完了。
ISDN工事開始からわずか10分で移行完了しました。

しかし、早くない部分もあった。これは予想通りだ。
何が早くなかったかというと、割引サービス達の扱いだ。
アナログ契約ですでにタイムプラスとテレホーダイを利用していたのだが、この2つの割引サービスが締め日まで無効になると言う。
しかも、割引基本料金の日割り計算は無いとの事。(116番のおねーちゃんも、ISDN移行を締め日に合わせた方が損しないで良いよと勧めてはくれたが)
ついでに、INSテレホーダイやINSタイムプラスも、締め日以降でしか適用にならないという話し。
つまり、工事日〜締め日までは割引基本料金だけ取られて、なおかつ割引サービスが1つも適用にならないという空白期間ができるという事になるらしい。

やっぱりな、てな感じ。
ま、今回は工事を自力でやるという前提なので、平日に家に居る事のできる盆休み中に移行完了する必要があったので、泣く泣く空白期間を作ってしまいましたが。
やっぱNTTさんには、もうちょっと配慮が欲しいところですね。

・ISDN導入後・・・
おお、プロバイダへの接続が異様に早い。アナログ回線だとダイヤルに15秒+モデムのコネクトに15秒の30秒程度は平気で待たされたもんだが、ISDNなら接続開始〜5秒程度でデータが流れてくるぞ、すっげ〜。
ああ、普通に電話をかけるときもプッシュ回線同様に早いぞ。こりゃいい。
おや?インターネット接続中にも電話がかかってくる事が多いぞ。こりゃ今まで割と、僕がインターネットしてる最中に電話がかかってきてたって事かな〜??
受話音量も上がって、コードレス電話を使う時でも音が聞こえやすくなった。
ルータもいいねぇ。パソコン立ち上げなくっても、メールを受信したら、どこのアカウントにメールが溜まってるかLEDがピコピコと点滅して教えてくれるし。
テレビ見ながらでも(パソ部屋に行かんでも)インターネットみれるし〜。
今のところ、少なくとも料金の面以外では良いことづくしだ。

まぁ、月2,000円くらいならなんとかペイできるかな。(トータルで考えると高いが)

・おまけ・・・
あ、56Kbpsのモデムが無駄になってしまった。まだ新品同様なのに・・・
会社のサーバーにでもこっそり繋いで置いておこうかなぁ。それとも誰かに売ってしまおうか。
でもなんとなく、ISDNから再びアナログに戻したりする様な気がしないでもないし、それまで手元に置いておこうか。
(ちなみにアナログ→ISDNに変更した場合は、再びISDN→アナログにも変更できるらしいです。)
外付けのパナソニック製モデムなんですが、¥5,000くらいで売れないかなぁ。甘いか。

[戻る]  [TOP]


Sep.15,1999  Presented by YAMATEC